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「からす座」(2020年5月17日更新)

5月中旬の20時頃、真南の空に4つの星を結んで四辺形の形をつくることができます。これは、からす座です。比較的見つけやすい星座のひとつです。今回は、このからす座とその隣にある星座をご紹介します。

この中にからす座が隠れています。どこにいるでしょうか?探してみてください。

▲実際の夜空でみるからす座の周辺(撮影:山梨県立科学館 臼井圭一郎)

●見つけ方

真南の空に特徴的な四辺形をすぐ見つけることができる人もいるかもしれませんが、まずは春の大曲線から辿ってみつけてみましょう。頭の真上近くにある北斗七星を柄杓(ひしゃく)に見立てた時、手に持つ柄の先端の星から、オレンジ色っぽい「うしかい座」の「アルクトゥールス」、白っぽい「おとめ座」の「スピカ」の順に星を結んでいくと、「春の大曲線」が見つかります。(4月26日の星空コラム「春の星並び」もぜひ、参照してみてください。)この巨大な春の大曲線を見つけたら、スピカから曲線をそのままさらに伸ばします。そうすると「からす座」が見つかります。それほど明るい星は、ありませんが、この形は意外と目に付きます。この四辺形をそのまま「4つ星」や、船の帆の形に見立てて、「ほかけ星」と呼ばれることもあります。

▲アストロアーツ ステラナビゲータにて作成

●からす座の神話

いくつかの神話がありますが、今回は、ひとつご紹介します。からす座のカラスは、太陽の神アポロンの使いで、美しい銀色の翼を持ち、人の言葉も話すことができたといいます。しかし、ある時、アポロンに泉の水を汲んでくるように命令されます。水を汲みにいく途中でカラスは、大好きなイチジクの実を見つけます。でも、このイチジクは、まだ熟していなかったので、熟すのを待っていました。待っているうちにアポロンの元へ戻るのがとても遅くなり、カラスは、遅れた理由を隠すために、近くにいた蛇をつかんで帰ると、「この蛇がコップを隠したので遅くなりました…」と嘘をつきました。でも、アポロンは、神様なので嘘は、お見通しです。罰として美しい銀色の羽を真っ黒に染めあげ、人の言葉を取り上げ、見せしめのために天に釘で磔(はりつけ)にしました。カラスは真っ黒なので、磔にした時の釘だけが夜空には見えています。

●からす座の隣にある「コップ座」

コップといっても、普段、水を飲む時に使うガラスのコップではなく、取っ手がついた優勝カップのようなものです。このコップの持ち主は、分かっていませんが、勇者ヘラクレスや酒の神バッカス、太陽の神アポロンが持っていたものではないかと考えられています。また、天に磔になったカラスは、コップ座の中身を飲もうして頑張っているような姿に見えますね。目の前にあるコップ座のコップの水が飲めないから、喉が乾いてしわがれ声になってしまったというお話もあります。

▲アストロアーツ ステラナビゲータにて作成

一番上の写真のからす座の位置はこちら。わかりましたか?