科学館代表電話番号 055-254-8151
団体専用受付電話 055-254-8157

Enjoy

おうちで科学館を楽しもう!

よみもの

Reading

「春の星並び」(2020年4月26日更新)

寒さが和らぎ、星を観察しやすい季節になりました。今回は今の時期から初夏ぐらいまでよくみえる春の大曲線と春の大三角についての話です。 ご自宅のベランダや庭先など近場で星を眺めてみるのはいかがでしょうか。

春の大曲線と春の大三角
春の大曲線と春の大三角

▲春の大曲線と春の大三角
撮影:臼井圭一郎(山梨県立科学館)2020年4月14日撮影

●巨大なカーブ「春の大曲線」

まずは北の方角、頭の真上あたりに7つの星並び「北斗七星」を見つけます。ちなみに北斗七星の「斗」は「柄杓(ひしゃく)」という意味があります。言われてみれば水を汲む柄杓のような形にみえませんか?柄杓の形に見立てたら、手に持つ「柄の部分」を見てください。少しカーブしています。このカーブに沿って線を描くと「アルクトゥールス」という黄色や橙色っぽくみえる星が見つかります。ここにある星座は「うしかい座」です。星座絵では男性の姿をしていますが、誰なのかわかっていません。一説では天を支える巨人の神様アトラスの姿と考えられています。また、アルクトゥールスには「熊の番人」という意味があります。アルクトゥールスから更に曲線を延長すると「スピカ」という白っぽい星がみつかります。ここにはおとめ座があります。おとめ座は農業の女神デーメテールの姿とされています。北斗七星からアルクトゥールス、スピカを結んで「春の大曲線」ができあがりました。かなり大きな曲線がみえると思います。アルクトゥールスとスピカは春の時期いつも一緒に見えているので日本では「春の夫婦星」とも呼ばれることもあります。

●大きな三角形「春の大三角」

春の大曲線で見つけたアルクトゥールスとスピカの2つの星と、「デネボラ」という星で大きな三角ができます。これが「春の大三角」です。デネボラはしし座の尻尾にある星です。まず、北斗七星を柄杓に見立てた時、水を汲む部分の先端の2つの星を北極星とは反対(南側)に伸ばし、「レグルス」という星を見つけます。この星には「小さな王様」という意味があります。また、レグルスから周りの星を結ぶとはてなマークを裏返した形になります。これを「ししの大鎌」といいます。ここにいる獅子の頭から首にかけての部分です。そこから東側にあるのがデネボラです。しし座は4月の終わりのこの時期、夜8時頃には南の空高く見つけやすいところに位置しています。アルクトゥールス・スピカ・デネボラの3つの星を結んで「春の大三角」見つけてみましょう。